おそまつなフロントオーディオ
私のパソコンにはフロントオーディオ端子がないので、新設することにしました。 ケース側を調べてみると、フロントUSB端子の基板にAC'97用のパターンを発見。 しかし、マザーボードはHD AUDIOです。 そのまま接続してもうまく動作しないので 少々手を加えてHD AUDIO方式で配線します。 フロントオーディオに関して調べてみると 音が出ない・・・音が止まらない・・・接続方法がわからない・・・等 苦労している人は意外と多いようです。 AC'97とHD AUDIOでは、音質的な違いのほか配線の取回しが全く異なるのです。 自分用の覚え書きとして資料や部品の型番を記すものでありますが、誰かの役にたてば幸いです。 |
これは数年前に買ったパソコン工房のBTOパソコンです。 このケースのシリーズは他社でも多数採用されています。 フロントオーディオにはAC'97とその後継のHD AUDIOと 言う仕様があり、 過渡期だから、このケースはフロントオーディオ端子を 省いたのでしょうか。 出典:パソコン工房 |
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intelのサイトにFront Audioに関する資料がありました。 これはAC'97のピンアサインです。 マザーボードから引っ張ってきたオーディオ信号が ヘッドホンジャックでUターンして、またマザーボード に帰っています。(クリックで拡大) 出典:intel Front Panel I/O Connectivity Design Guide http://www.formfactors.org/developer%5Cspecs%5CA2928604-005.pdf |
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こちらはHD AUDIOのマザーボード側。 GIGABYTEの取説だと7番ピンはグランドに落ちており intelの仕様と違ってます。 この点についてコーデックチップ側から調べてみたところ・・・ RealteK社ALC662のデータシート(78枚目P70)に2種類の 回路図が載っていました。一つはintel仕様で、もう一つは GIGABYTEと同じ7番ピンがグランドに落ちているタイプです。 「モアフレキシブル」なのだそうです。 |
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HD AUDIOのピンアサイン。 ジャックに内蔵された専用のスイッチでプラグの抜き差しを 検出しています。 スイッチ付きジャック必須ってことですね。 また割り当てが自由で、どちらのジャックに何を差しても 大丈夫です。両方にヘッドホンを差すことも、両方にマイクを 差すことも可能。 ヘッドホンを利用しつつ、スピーカーから音を出すような設定もできます。 |
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マザーボードとフロントパネルを接続するケーブル。 |
ケースのフロントI/O部分を外しました。 USB専用ではないようです。 |
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基板にはオーディオ用のパターンも用意されています。 AC'97用に設計されていました。 右の穴がマイク用ジャックのスペース。 左の穴がヘッドホン用ジャックのスペース。 ヘッダピンはUSB用だけが実装されています。 |
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裏面。 | |
グランドは、USB用とオーディオ用で分かれていました。 | |
これがHD AUDIO必須のスイッチ付きジャックです。 入手ルートは限られています。 これはヤフオクで発見したものです。 ■ HOSIDEN HSJ1063-0104109 (株)和海機工 写真下のようにスイッチ部分を分離できます。 プラグの挿入により、左チャンネルに接する端子が スライドスイッチを動かす仕組みです。 HD AUDIOではノーマリオープン側を使います。 |
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本来の設計とは形状が異なるジャックを使うので フレームと干渉する部分を削りました。 |
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オーディオ用のヘッダピンとコネクタです。 ヘッダピンは↓これをカットして使います。 ■ 2.54ピッチヘッダピン20P(10x2列) ※KEYの8番ピンは引っこ抜きます。 コネクタは↓これらを組み合わせて使います。 ■ ケーブル圧接型ソケット10P ■ ストレインリリーフ10P用 共立電子産業(株) 本当はQIコネクタを使うところですが 当時、ネットで5×2は発見できませんでした。 店頭にはあるのですが・・・。 |
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ヘッダピンを増設。 右側が既設のUSB用ヘッダピンです。 こっちだけ金メッキですね。 合わせればよかった・・・。 面倒なのでスイッチの端子は折り曲げて使いました。 AC'97用の基板の流用なので、パターンのカットと 追加配線で対処しました。 |
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ケーブルも作ってみました。 昔のプリンタケーブルをばらした配線に LANケーブルの被覆をかぶせました。 ちょうど良い感じです。 抜きやすいようコネクタにテープを付けました。 元々はフラットケーブル用のコネクタです。 普通は専用の工具で結線するのですが、めったに 使わない工具を買うわけにもいきません。 たった8本なので、爪でハメハメしました。 |
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自分がシンジラレナイので、テスターでチェック! 一般的なテストリードは使えません。 ICクリップと抵抗の足を利用しました。 導通とアサインメントをチェックしているのであります。 8番ピンは後で塞ぎ、誤接挿入防止KEYにしました。 |
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USBの窓しかなかったので、オーディオ用を追加工しました。 |
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完成。 | |
試しにフロントパネルにヘッドホンを二つ刺してみた図。 ジャックによって音質に差がありました。 |
以上、部品代数百円でできるフロントオーディオのDIYですが 手間ヒマかけたくない人にはメーカー製のフロントI/Oパネル等をお勧めします。 カードリーダの他、各種端子を前出しできて2,000円前後。 これを買うと、悩む必要も失敗する心配もありません。 重ねてご案内しておきます。 このページで使用しているスイッチ付きジャックは スピーカーとイヤホンを切り替える「スイッチ付き」ではありません! パーツ屋さんで店員さんに相談しても正しいお買い物ができない可能性があります。 失敗しながら覚える。 転んでも泣かない。 これは鉄則ですが、入念な下調べも大切です。 |
こんなパターンもあります。
(誤表記や勘違いがありましたら一報ください。指摘していただけるとありがたいです。)