おそまつなスピーカー デッドコピー編
大阪日本橋に共立電子産業というパーツ屋さんがあります。電子部品のお店です。ここのオーディオコーナーに素敵なスピーカーがあり、いつもジャズが流れています。8センチほどのスピーカーなのに、なんとも力強い低音。ダブルバスレフエンクロージャーキットWP-7108DBとして販売されているものです。
今まで先人達の設計図を元に幾つものエンクロージャーを作りました。しかし低音が出なかったり高音が出なかったり。こもった音になったり耳障りだったり。音楽を聴くには良くても、ニュースを聴くと明瞭度が悪かったり・・・。なかなか奥が深いものです。
今回は共立大先生の設計を拝借。組み立て説明書PDFから図面を起こし、実証実験してみることにしました。自作と言うよりデッドコピーとかリバースエンジニアリングの世界ですが、あくまで個人的な実験ですのでお許しを。笑
本家ではMDFを使っていますが、経費の問題から12mmのコンパネを使いました。 本家より数ミリ薄い材料です。 仕上げの塗装を省略するためにパネコートを選びました。 ホームセンターのカットサービスでは「2~3mmの誤差は勘弁してください」と書いてあります。 しかし箱モノを作る上で2~3mm狂うと致命的です。切る順番や操作を適宜指示して、どうにかある程度の精度でカットできました。 |
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問題はバスレフダクトです。 内径50ミリの筒が必要です。四角いダクトの製品も見かけますが、なるべく正確にコピーしたかったので、丸いダクトにこだわりました。 本家では肉厚紙パイプを使っていますが、同様のものは手に入りませんでした。 コーナンプロでフジモリ産業のフジボイドと言う紙管を見つけましたが肉薄なので断念。 それなら木で筒を作ってしまうことに。 左から VP-50(内径55) フジボイド(内径50)切り売りしてました VP-40(内径44) |
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木の筒と言えば桶が頭に浮かびます。 しかし桶を作るには高度な技術が必要です。 自分にはそこまでの木工技術はないし、何か方法はないものかと考えた末、細い木を円形に並べてそれらを接着して筒を作ることにしました。 割り箸状の細い棒を筒状に並べて、隙間を木質粘土で埋めるわけです。 この工法だと直径50ミリの芯が必要です。 ←直径53mmなので却下 |
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室内を見回して一番近かったのがこれです。 シリコンシーラントの容器です。 直径49mm |
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6ミリ厚の木材を10ミリの短冊状に加工して、シリコンシーラントの容器に並べて巻きつけて輪ゴムで固定して、木質粘土に木工用ボンドを練りこんだものを隙間に充填し乾燥させます。 | |
木材から作られた粘土に木工用ボンドを練りこんでパテのように使ってみました。 | |
乾燥中 | |
乾燥後、適切な長さにカット。 | |
しかし、微妙にイビツ! ちょっと許せなかったので、今度は6ミリ厚の木材を6ミリに切って作り直しました。 |
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なんとか許せる筒ができました。 木質粘土に木工用ボンドを練りこんだもので角棒の隙間を埋めた構造ですが、強度的にも問題はなさそうです。 |
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このあと吸音材として金魚用ろ過マットを入れました。 スピーカーの交換や追加工を想定し、側版はネジ止めにしました。 |
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メンバー紹介です。 左から、パソコン、スピーカー、米びつ。 |
エンクロージャーに取り付けたのは、壊れたラジカセから外した7cmのスピーカーです。
いろんな音楽やニュースを試聴してみましたが、正しく音が出ていて疲れません。
ソフトオシレーターで音を出してみると平坦な特性ではないようですが
それでも7センチのスピーカーとは思えない音が出ます。
共立電子産業のダブルバスレフエンクロージャーキットWP-7108DBシリーズは
とてもよくできた製品なのだろうと容易に想像ができました。